肩腱板損傷

rotator cuff tear

肩腱板損傷とは

肩腱板とは

肩腱板とは

​​​肩腱板とは、肩の関節を安定させる4つの筋肉の総称です。4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)は、肩の前・上・後ろにあり、肩を自由自在に動かす役割を担っています。

この肩腱板が損傷、断裂することを「肩腱板損傷」「肩腱板断裂」といいます。

肩腱板損傷(肩腱板断裂)の原因

肩腱板損傷の原因には、「外傷性」「非外傷性」があります。
「外傷性」の損傷は、転倒・落下・打撲・重たいものを持ったりすること等で急激に強い力が加わり、症状が出ます。また、スポーツ等で肩を使いすぎることで過度に負担がかかり、部分的に損傷するケースもあります。
一方「非外傷性」の損傷は怪我とは無関係で、生まれつき肩がゆるかったり元々の肩の形が原因で、徐々に擦り減って切れて症状が出ます。
損傷時には肩を動かさない状態でも肩が痛み、寝ている姿勢でより強くなることがあります。

肩腱板損傷(肩腱板断裂)の原因

肩腱板損傷(外傷性)を起こしやすいスポーツの例

  • 野球(投球)
  • テニス(サーブ)
  • バレーボール(スパイク)
  • バトミントン
  • 水泳
  • など

肩腱板損傷の症状

肩腱板が損傷してしまうと、肩腱板の上部にある滑液包が強い炎症をおこします。
滑液包は肩を動かす時の摩擦を和らげる役割をしているため、そこが炎症すると肩の痛みが起きてしまい、「肩を挙げられない」「肩関節が痛い」「肩を動かすとゴリゴリと音がする」「肩に力が入らない」等の症状がでます。痛みで夜眠れない日が続いたり、肩の力が弱くなり洋服の着脱が困難になったり、日常生活に支障をきたす場合もあります。
損傷した肩腱板は自然治癒することは難しく、放置しておくと、筋肉に引っ張られ損傷・断裂が拡大して痛みが悪化する恐れがあります。そのままスポーツを続けるにはリスクがありますので、スポーツ整形外科を受診することをおすすめします。

肩腱板損傷の治療

肩腱板が損傷・断裂した所は、自然治癒はほとんど期待出来ません。しかし多くは、リハビリなどの治療で数ヶ月で症状が改善します。
損傷の度合い、困っている症状、スポーツの種類、年齢などによって治療方法を選択します。

手術以外の治療(保存療法)

損傷の度合いが軽い場合は手術を行わず、保存療法をとることが多いです。
薬の服用や湿布薬で痛みを和らげたり、強い痛みに対してはヒアルロン酸やステロイドの注射療法を行います。
薬や注射で痛みが軽減したら、リハビリで肩関節の拘縮を防ぎ、損傷せずに残っている腱板での機能改善を目指します。
リハビリでは肩周りの筋肉のストレッチや肩甲骨・脊柱や骨盤の動きの改善、可能な場合はゴムチューブを用いたトレーニングなどで、肩をあがりやすい状態にします。

手術療法

保存療法を行っても肩の痛みや症状が改善しない場合は、手術を考慮します。
手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)があります。
当院では専門医が、傷口と痛みの少ない「関節鏡視下手術」を施行しております。

関節鏡視下手術

損傷した肩腱板を、上腕骨頭(肩関節のボールのような部分)に結合させる手術です。
肩に小さなキズを数ヶ所作成し、そこから関節鏡という内視鏡を入れて行います。そして糸のついたアンカーを使い、肩腱板を元々の位置に修復します。全身麻酔で行います。
短時間で終わり最小限の傷口で済むため、手術翌日から歩行可能で、回復が早い方法になります。

手術時間 およそ2~3時間(麻酔時間を含む)
入院期間 1週間程度

肩腱板損傷に関する
よくある質問

治療せずに放置するとどうなりますか?
痛みなどの症状の悪化や、肩の機能が低下し日常生活が困難になる可能性があります。また診断が遅くなると、治療が難しくなる場合もございます。
「痛みが強くないから大丈夫」と自己判断せず、症状のある方はお早めにご受診ください。
どのような検査・診断テストを行いますか?
肩腱板の棘上筋・棘下筋・肩甲下筋がそれぞれ正常に作用しているかをテストします。
棘上筋は、腕を身体の横から挙上する動作で作用する筋肉です。棘下筋は、腕を外にひねる動作で作用し、肩甲下筋は腕を内にひねる動作で作用します。
それぞれの筋力を検査する他、患者さん自身に身体を動かしてもらい、肩腱板に疼痛が発生するかどうかを検査します。
また、画像検査として、肩幅、上腕骨の状態をレントゲンやCT検査で確認し、肩腱板の損傷断裂の有無や状態をMRI検査で評価します。当院ではこれらの検査が全て可能です。
手術治療にかかる費用はどれくらいですか?
費用に関しては損傷の度合いや手術方法、入院の期間等によって変わってきます。まずは一度ご受診ください。
文責

医師竹内 康剛

日本整形外科学会専門医